救急診療の大まかな捉え方:縦軸と横軸

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救急診療とそれ以外の診療の違い

学術的な説明は、学生向けの教科書にも書かれていますので、そちらに譲りましょう。
この記事では、救急診療の大まかな捉え方について説明します。

(本説明は、私の個人的な考え方を含んでいます。
しかしこの考え方を伝えた多くの研修医や非専門の先生から、「救急外来での診療の仕方が見えるようになった!」という反応を頂くので、ここに記しておくことにしました。)

私は、普段の病棟業務や一般外来が“縦軸”の診療であるのに対して、救急外来業務は“横軸”の診療だ、という風にとらえています。

普段の病棟業務や一般外来 =“縦軸”の診療
救急外来業務       =“横軸”の診療

病棟や一般の定期通院外来では、患者さんを経時的に見ています。つまり我々の手元には、患者さんの病状の時間的な変化がわかるデータがあります。
このため時間経過の中で、病気を病態生理学的に推察することができます。(=“縦軸”での診療)

対して救急外来では、患者さんの多くは初見さんであり、時間による経過がはっきり分からず、現在の症状や検査から確率論で病気を推察するしかありません。(=“横軸”での診療)
これは幾つも挙がる鑑別診断を除外しながら、一番それらしいものに絞り込んでいく作業です。

もちろん、救急診療でも、医師は病態の把握(=“縦軸”での診療)に努め、同時に患者さんの症状の緩和も行います。
ただ、臨床推論の基本的な考え方は、確率論です。(統計学用語では、これを確率論的アプローチprobabilistic approachと呼びます。)
これを意識しているだけでも、救急診療に対する見方が変わり、病棟業務のときと意識を切り替えて、シンプルに診療に取り組むことができると思います。

救急外来での診療=臨床推論=確率論

上記のように少し思考を切り替えると、救急診療がシンプルに見えてくるかもしれません。
病棟業務のときと意識を切り替えて働くことで、あなたのER業務の助けになれば幸いです。

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