まずはじめに、覚えておくこと
患者さんの「診療」は、いつ始まるのでしょうか?
患者さんが受け付けに個人情報を記載したときでしょうか?
看護師さんがトリアージをしたときでしょうか?
それとも、患者さんが診察室に入って来たときでしょうか?
あるいは医師が患者さんの名前を確認して、自己紹介をしたときでしょうか?
診療は、患者さんが「病院に入った瞬間」から始まっている!
法的には、患者さんが病院の敷地内に一歩足を踏み入れた瞬間から、病院には診療の義務が生じるのだそうです。
(これは博識な上司のH先生に教えてもらったのですが、判例が見つからなかったので、後日見つけたら追記します。)
確かに、患者さんやそのご家族からすれば、たとえば待合室で急に状態が悪くなったとしたら「病院にいたのに、どうしてもっと早く見てくれなかったの!?」と怒るのも当然ですよね。
ですから、「診察室の中だけでもうお腹いっぱい。外なんて知らな~い」なんて考え方は危険なのです。
少なくとも救急外来で働いているとき、私達医療者はこんな行動をとる必要があります。
診察室から顔を出して待合室を覗くと、色んな患者さんがいます。
誰かとおしゃべりしたり、スマホを見ている人は、診察の順番が来るまで待ってもらっていても大丈夫そうです。
しかしその中に、ぐったりして顔色の悪い人、冷や汗をかいている人はいませんか?
「この患者さんはヤバい!」と思った時点で、診察室へ入れ、上級医と看護師を呼びましょう。
「何かヤバい!」と思ったとき、絶対にひとりで戦ってはいけません。
重症の対応については後述しますが、まずはABCDの安定化が最優先です。
また、待合室に、元気そうではあるけれど、待たされるのにイライラして、今にも怒りだしそうな人はいませんか?
彼らも、待たせると危険な「ヤバい」人です。
「えっ! 体調の悪そうな人は分かるけど、イライラしている人は、怒る元気があるのだから放っておいても良い気がする……むしろそんな理由で早く診察するなんて、待たせている他の患者さんに迷惑だ」と正義感が疼く人も多いと思います。
それでも私は、イライラしている人、怒っている人も早めに診たほうが良いと後輩の皆さんに推奨しています。
なぜなら、そういう患者さんに一度火がついて怒鳴り始めると、その対応に多くの人手が割かれることになるからです。
結局、さっさと診療するよりも、なだめることに長い時間がかかってしまい、他の患者さんの診療がもっと遅れてしまいます。
また患者さんのその怒鳴り散らす姿は、他の患者さんを怖がらせてしまうかもしれません。
ですから、重症の患者さんがいないのであれば、そのような人は早めに診察を済ませてしまうのがお互いのためといえます。
ただし、スタッフが重症患者さんにかかりきりになっているときは話は別です。
重症患者さんの診療は時間との勝負であり、スタッフをそちらに集中させる必要があるので、四の五の言っていられません。
そういうときは、できれば他の医療スタッフの応援を呼んでほしいところです。
しかし応援を呼ぶことが無理なら、怒る元気がある人には、大変申し訳ないけれど少しお待ちいただきましょう。
こんなときに、掲示などで「ただいま重症患者診療中のため、○○時間待ちです」と札を出している病院もあります。
ただしほとんどの患者さんは、自分が重症だと感じているからこそわざわざ救急外来を受診しているので、この札の効果は、患者さんによってまちまちだと思います。
怒っている患者さんには、一段落ついてからお待たせしたことを謝罪し、時間をかけてクレームを伺うしかないでしょう。
これは私の上司であるH先生がいつも言っていることです。
救急外来には、様々な人が訪れます。
特に当直の時間帯は、平日の日中には病院に来られない社会的な理由を抱えた人が多くなります。
私自身、警察官からそうと知らされず、起訴直前の殺人犯と診察室で二人きりになったこともあります。
(翌朝ニュースを見てビックリしました。)
むろん個人情報に配慮する必要はありますが、ひどい目にあったときには、「これはいいネタになるなぁ」と考えるくらいの心の余裕を身につけておきたいものです。
しかしどんな理不尽な目にあったときにも、ただ一つ忘れないでほしいことがあります。
大声で怒鳴る彼らのほとんどは、クレームをつけに病院に来たのではなく、何か困ったことがあって、助けを求めて病院に来ているのです。
どんなときでも、医療者としての職務はしっかりと果たしましょう。
患者さんの診察始める前にチェックするべきこと
これは教科書やマニュアル本にはほとんど書いていません。
患者さんに直接会う前に遠目で、またはカルテを見てチェックが必要なことがあります。
その患者さん、”特別な患者さん”ではないですか?
診察を始める前、つまり患者さんが待合室にいる間に、以下のことをチェックしておく必要があります。
- 「先生」と名のつく職業(政治家、教員、僧侶、弁護士、医師……そこの君だ!)
- 本人or親戚が医療関係者(気の利く先生なら、前回受診時のカルテにこっそり記載してくれている)
- 親戚に医療過誤の被害者がいる患者
- 権利意識の高い患者(都会人、海外帰り、マスコミ関係者)
- 他院からの紹介患者
- 外来トラブル歴のある患者
- 救急外来頻回受診患者
- 事故の被害者、喧嘩での受傷(原則保険が効かず、自費診療になる)
- 通院歴の長い患者(特に診療科長や院長、教授等が外来主治医の場合)
- 精神科患者、認知症患者、高齢者(身体所見が当てにならない)
などなど……
そして+αとして、「医師が誤診をしやすい患者」さんが挙げられます。
- 医療者が誤診をしやすい患者
それが判別できたら苦労しないよ! という声が聞こえてきそうですが、ひとつ、典型的なパターンをお教えします。
- 業務終了直前に診る患者
- 次の時間帯の勤務者へ申し送る患者
- 前時間帯から申し送られた患者
これらの患者さんを診療するとき、医師には無意識下に「軽症であって欲しい」という先入観が入ってしまいがちです。
そのため医療過誤の発生が高く、そのことを肝に銘じて丁寧に診療を行う必要があります。
私の師匠であるT先生は、それに関してこんなことをよく言っていました。
昨今の「EBMを遵守し、無駄な診療はしない」という時代の流れに、なんとも逆行するような言葉です。
実際、どのような診療が適切であるかは、救急外来全体の様子や患者さんの状況、医師の状況などによって大きく異なると思います。
しかし上記のように、“エビデンス”のみで診察、治療してはダメな患者群がいることをまずは念頭に置く必要があることは間違いないでしょう。
こういう”特別な患者さん“が現れたときは、素知らぬ顔をして上級医に診察を押し付ける……のも、立派な戦略の一つです。
しかしもしあなたが、自分で診るぞ!という気概にあふれる人であるなら、一つコツを伝授しておきます。
それは、普段以上に本人の訴え・希望をよ~く聞いて、“気の利く医者”を演じることです。
たとえば、
- 「それは辛かったですね」と共感する
- 「寒くないですか?」と尋ね、布団を掛ける
- 付き添いの人にも、さっと椅子を差し出す
…など、本当にささやかなことで大丈夫です。
もちろんこんな当然のこと、患者さん全員に常にやっているに違いない……ですよね?
また、これらの患者さんでは、医学的常識の範囲内で希望は叶えてあげても良いと思います。
多少検査がオーバーになっても、トラブルの起こる検査前確率が高いので、必ずしもオーバートリアージにはならないでしょう。
ただし、必要のないときの全身CTのような無闇矢鱈な全身検索や、薬物乱用患者・転売者に薬を処方するような、患者にとって害となる行為は、もちろんしてはいけません。
すぐさま処置室へ連れて行く待合室の患者さん
次に、待合室を覗いたときに、すぐさま処置室へ連れて行くべき患者さんについて知っておきましょう。
処置室とは、救急室の中で、酸素やモニター、点滴・挿管グッズなど蘇生用の道具があるところです。
救急外来受診患者さんのなかでも、重症の人に入ってもらう場所になります。
受付後にきちんと患者さんのトリアージがされている病院でも、これは重要です。
それはトリアージが、1時点のみでの判断だからです。
本来トリアージは、時間経過とともに繰り返す必要がありす。それがこの”待合室を覗く“という行為なのです。
患者さんが待合室で急変すると大変です。
そこには他の患者さんもいて周囲の目が気になったり、治療処置に必要な道具がなかったりと、対応が難しくなります。
そうなる前に、緊急加療の必要な患者さんや、重症化しそうな患者さんには、処置室へ入ってもらう必要があります。
- 見るからに全身状態不良な(ぐったりしている)患者
- 緊急加療の必要な疾患を疑う症状の患者
- 冷汗を伴う疼痛
- 片麻痺、構音障害、意識障害、突然の体幹失調(疼痛によらない歩行困難)
- 呼吸困難
- 医療者(特にベテランナース)から見て、なんとなく嫌な予感がする患者
これらの患者は、すぐにモニター評価・管理と、ABCDに異常があるなら適宜治療介入を行います。
重症患者さん診療の詳細については、下記記事もご参照下さい。
1. 見るからに全身状態不良な(ぐったりしている)患者
まずはとにかく急いでバイタルサインを測定します!
普段、我々救急医は、研修医の皆さんに「ERでの診療は、何よりも問診が大事だよ」と教えています。
しかしこの時ばかりは、悠長に現病歴を聞いている暇はありません。
手の空いている医療者が複数人いる場合は別ですが、医者や看護師が数名しかいない場合は、主訴と発症した時間だけ確認したら、残りの詳細な病歴聴取は一旦後回しにしてください。
先に全身状態の評価と、問題のある部分への医療介入を行います。
同時に、応援を呼ぶのを忘れないで下さい。決して一人で戦ってはいけません。
必ず、上級医が救急室内にいる場合は大きな声で、別室にいる場合は電話で呼び出します。
まずはバイタルサインの異常があるかどうかを評価します。
これはすなわち、ABCDEの評価です。以下の略ですね。
A Airway(気道)
B Breathing(呼吸)
C Circulation(循環)
D Dysfunction of central nervous system(意識障害)
E Exposure and environmental control(体温など環境管理)
これらの異常を見つけ出し、即座に医療的な介入を行います。
このバイタルが安定しない場合の医療介入は、有名な「さるもちょうしんき」で覚えている人も多いと思います。
(上記のABCDEのうち、どれを診たり治療しているのかをカッコ内に記します。)
以下の評価のことですね。
さ 酸素投与(B)
る ルート確保(C)
も モニター管理(A~C)
ちょう 超音波検査(B・C)
しん 心電図検査(C)
き 胸部レントゲン撮影(B・C)
※「ちょうしんき」は聴診器ではありません。間違えないようにしましょう。
これら「さるもちょうしんきん」をはじめとするABCDEの介入・処置は、必ずしも根本治療にはならないことに注意が必要です。
なぜなら ABCDE に異常がある時には、ひとまず全身状態を安定化させ、それから原因検索をすることも少なくないからです。
重症患者診療では、原因検索も念頭に置きつつ、まずはABCの安定化を優先します。
介入を一つずつしか行えない場合は、必ず A(気道)→B(呼吸)→C(循環) の順に、異常があるものに対して医療介入を行いましょう。
特にAの気道完全閉塞は、心停止まで猶予がありません。異物除去や挿管など、必要な介入をまっさきに行いましょう。
逆に、D(意識障害)の評価や検索は、ABC が落ち着いてから行って下さい。
例えば意識障害(Dの異常)のある患者で、血圧も低い(Cの異常)場合。
頭部 CT を取りに行くより先に、まずは輸液をして血圧を上げ、バイタルを安定化させます。
脳の疾患を考えるより先に、ショックによる意識障害を考え、それを是正するというわけです。
頭に限らず、画像評価をしにレントゲン室や CT 室、MRI室などに行くのは、バイタルが安定してからにしましょう。
患者が急変をした時に最も助けやすいのは、救急外来の処置室(かICU など一部の場所)です。
CT室やMRI室は、検査中医療者の目が届かず、蘇生機材も十分もないことから、通称“死のトンネル”と呼ばれ、救急医達に恐れられています。
ただし画像検査に関するこの原則は、ハイブリッドERのように、その場ですぐにCTが撮影できるような特殊な救急室では例外となることがあります。
その場合は、指導医の先生の指示に従いましょう。
2. 緊急加療の必要な疾患を疑う症状の患者
次に、緊急加療の必要な疾患を疑う症状について見ていきましょう。
ここでは、以下の3つを紹介します。
① 冷汗を伴う疼痛
② 片麻痺、構音障害、意識障害、突然の体幹失調(疼痛によらない歩行困難)
③ 呼吸困難
① 冷汗を伴う疼痛
※血管、腸管など何かしらの“管”が詰まったことを示唆する症状です。
【鑑別診断】
心筋梗塞、大動脈解離などの心血管疾患、クモ膜下出血や脳出血などの脳卒中、などなど
【すぐに行うべき処置の一例】
バイタル測定とその介入。
特にルート確保、心電図、胸腹部エコー(心壁運動、大動脈のフラップや大動脈瘤を確認)。
②片麻痺、構音障害、意識障害、突然の体幹失調
※脳に部分的な虚血(低酸素状態)が起こったことを示唆する症状です。
【鑑別診断】
脳卒中、大動脈解離、低血糖発作など
【すぐに行うべき処置の一例】
バイタル測定とその介入、血糖測定。
脳梗塞発症後4.5時間以内ならt-PAの適応、発症後6時間以内なら血管内治療の適応となるの可能性がある1ため、画像精査を急ぎます。
体幹失調というとイメージがわきにくいですが、典型的なのは、疼痛によらない歩行困難や歩行時のふらつき、座位がたもてないなどの症状です。
【ミミック】
低血糖発作、大動脈解離
※ミミックとは、「頻度の高い有名な疾患のふりをしてやってくる、紛らわしい別の疾患」2のことです。
低血糖発作でも脳梗塞を疑う症状が出現します。
結構頻度が高いのですが、たいてい忘れた頃にやって来るため注意が必要です。
また“脳梗塞を伴う”大動脈解離があるため注意が必要です。
症状が出る前に失神や背部痛がなかったか、繰り返し本人や周囲に確認する必要があります。
なぜ繰り返しなのかというと、失神などを伴っていた場合、患者が後から思い出すことがあること、付き添いの人が発症を目撃していない場合、目撃者に連絡を取って教えてもらえることがあるからです。
(ただし、大動脈解離で胸背部痛のある患者は61.6~84.8%であり3、全員に疼痛があるわけでもないので注意が必要です。)
患者が一見脳梗塞に見えても、脳神経科の専門医とも相談し、必要時には胸腹部造影CT検査を行いましょう。
せめて胸部レントゲンやエコーで、胸腹部大動脈や頸動脈の径やフラップの有無などをチェックして下さい。
大動脈解離にt-PAを流した場合の死亡率は100%という報告もあります。
③呼吸困難
【鑑別診断】
喘息、心不全増悪、アナフィラキシーなど
【すぐに行うべき処置の一例】
バイタル測定とその介入。特に酸素飽和度測定SpO2を測定して、酸素投与。
CO2ナルコーシスを起こすから酸素投与はダメ!と習ったCOPDでも、急性増悪の際には必要酸素投与が必要です。
COPD 患者でも、2日以内に起こった急性呼吸不全の場合は、酸素投与をしてもCO2ナルコーシスをきたさないことが知られています4,5。SpO2 89~94%程度を維持しましょう。
また、たとえCO2ナルコーシスで自発呼吸が止まったとしても、人工換気をするという手段が残っています5。
患者さんが死にかけているときにまで酸素投与をためらって、患者を長期の低酸素血症にしないように気をつけましょう。
医療者から見て、なんとなく嫌な予感がする患者
これは自分の勘も大事なのですが、ベテランナースさんの勘がよく当たります。
若手医師の皆さん、ベテランの医療職員が「何か嫌な予感がする」と言ったときは、ひとまず手を止めてその患者を診に行きましょう。
これらの患者は、すぐにモニター管理と、ABCDに異常があるなら適宜治療を行いましょう。
以下は私の経験談です。
1~2次専用救急外来の待合室で、誰かが揉めているのがかすかに聞こえたので、ひょこっと様子を見に行ったことがありました。
そこに居たのは、「たまに意識を失って転ぶことがあるから診てほしい」という元気な男性患者さんと、「午後は循環器外来はやっていないので、明日来て下さい」と説明する事務員さんでした。
それを見て私はER医らしく、「いいですよ、なんでも診ますよ」と救急室へ案内しました。
このとき私は、なんとな~く嫌な予感がしていました。
病識のなさそうな人がひょっこり病院に来るときは、結構危ない状態の可能性(特に血管系イベントのリスク)が高いことを経験的に知っていたからです。
そこで、たまたま他の患者さんの診療で救急外来に来ていた、循環器科当番の先生に声を掛けました。
「うちの外来にかかってた人ですね。あとは診ておきますよ~」というお返事とともに、循環器の先生は別患者の診療のためいったん病棟へ。
一方の私は、処置室のストレッチャーに寝ていた別の女性患者さんに観察室へ移動してもらいました。
そして、機嫌よく入室してきたその男性患者さんに寝転がってもらい……次の瞬間。
患者さんの意識がなくなりました。顔色は真っ青で、頸動脈は触れず、呼吸も止まっています。
すぐさま人を呼び集めつつ、モニターをつけると、脈なしVT。
そのまま除細動(二相性150J)をして、CPRを開始。
幸いにして、アドレナリンを打とうとする直前に、意識が回復しました。
特に後遺症もなく、無事、循環器の先生に診療を引き継ぐことができました。
あの男性患者さんが、待合室で事務員さんと揉めているときに心停止になっていたらと思うと、今でもゾッとします。
患者さんは処置が遅れて脳に後遺症が残っていたかもしれませんし、あるいは倒れて怪我をしていたかもしれません。
またたとえ怪我や後遺症なく退院できたとしても、「重症なのに診もせずに断った」と、私達を許してくれなかったかもしれません。
今回のお話はここまでです。本日の教訓はこちら。
オススメの教科書
今回紹介したような私のリスクマネジメントに関する知識は、日本におけるER教育の祖の一人、寺沢秀一先生の教えがベースになっています。
今回の記事のようなERで働くときの必須知識についてもっと詳しく学びたい方は、寺沢先生の「研修医当直御法度 百例帖 第2版」6がオススメです。
この本の原型は、寺沢先生が作った研修医の先生達の失敗体験を共有するための資料が、全国各地で勉強会用にコピーされ広まったものなのだそうです。
日本全国で実際に起こった「よくある失敗症例」を元にまとめられており、研修医が何か失敗したときにこの本を開くと、「自分の失敗とそっくりな症例が載っている!」と驚くことが非常に多いことで知られる、恐怖の預言書のような本です。
1症例が数ページ(多くは見開き2ページ)でまとめられているので大変読みやすく、研修医の先生から「研修医同士の勉強会で何を教材にしたらいいですか?」と質問されたときは、必ず最初にこの本をお勧めしています。
実際、私が以前勤務していた病院でも、研修医の先生達はこの本を使って勉強会をしているようです。
参考文献
- 日本脳卒中学会, 「脳卒中治療ガイドライン2015〔追補2019〕」
- 松原知康・宮崎紀樹, レジデントノート 2020年10月号 Vol.22 No.10 「救急でもう騙されない!ミミックとカメレオン 紛らわしい疾患たちを見抜いて正しく診断・対処する」
- Mussa FF, Horton JD, Moridzadeh R, Nicholson J, Trimarchi S, Eagle KA. Acute Aortic Dissection and Intramural Hematoma: A Systematic Review. JAMA. 2016 Aug 16;316(7):754-63. doi: 10.1001/jama.2016.10026. PMID: 27533160.
- 寺沢 秀一, 「研修医当直御法度 百例帖 第2版」, 三輪書店, 2013
- 林 寛之, 「ステップビヨンドレジデント2 救急で必ず出合う疾患編」, 羊土社, 2006
- 寺沢 秀一・島田 耕文・林 寛之, 「研修医当直御法度 第6版 ピットフォールとエッセンシャルズ」, 三輪書店, 2016
※本ブログに記載している患者さんの症例は、個人情報の漏洩に繋がることがないよう、複数の患者さんの病歴を混ぜて医学的に重要なエッセンスだけを抽出したり、臨床的判断に影響しないフェイクを加えています。